クラウドファンディング投資の種類と選び方|「融資型」と「不動産型」の違いから読み解くAGクラウドファンディングの不動産担保ローンファンド

(画像引用元:AGクラウドファンディング公式サイト)

クラウドファンディングで投資ができると聞いて調べてみたものの、融資型、不動産型、株式型と種類が多く、どれが自分に合うのか分からなくなった——そんな経験をお持ちの方は少なくないでしょう。同じ「クラウドファンディング」という言葉でくくられていても、お金の流れも、利回りの源泉も、税金の扱いも、種類によって大きく異なります。

本記事では、まずクラウドファンディング投資の全体像と種類ごとの違いを整理し、そのうえで「融資型(貸付型)」に分類されるサービス、AGクラウドファンディング を題材に、実際に募集金額の満額に達したファンドの担保・LTV・出口戦略まで具体的に読み解いていきます。

同サービスのファンド詳細ページには「不特法ファンドとは異なる貸付型ファンド」という一文が添えられています。この一文の意味が分かるようになると、クラウドファンディング投資の種類の違いが一気に整理できるはずです。

※本記事は2026年10月25日時点で公式サイトに掲載されている情報にもとづいています。

まず速報:10月に満額で募集を終えた不動産担保ローンファンド

本題に入る前に、AGクラウドファンディングで2026年10月に募集を終えた「不動産担保ローンファンド」のうち、募集金額の満額まで申し込みが集まり、募集を終了したファンドを紹介します。いずれも公式サイトのファンド一覧に掲載されている、公開済みのファンドです。

  • #222(土地建物@沖縄県那覇市)……予定分配率(年換算)6.00%/運用期間12カ月/募集金額8,000万円・充足率100%
  • #221(貸別荘@沖縄県名護市)……予定分配率(年換算)6.00%/運用期間3カ月/募集金額3,930万円・充足率100%
  • #220(土地@川崎市)……予定分配率(年換算)6.00%/運用期間12カ月/募集金額4,000万円・充足率100%
  • #219(一棟アパート@新宿区)……予定分配率(年換算)7.00%/運用期間12カ月/募集金額7,800万円・充足率100%
  • #218(土地建物@練馬区)……予定分配率(年換算)6.00%/運用期間8カ月/募集金額3億6,000万円に対し申込金額3億6,000万円

公式サイト上の運用状況は、#218が「成立」、#219〜#222が「募集終了」と表示されています(2026年10月25日時点)。

募集金額は3,930万円から3億6,000万円まで、運用期間は3カ月から12カ月までと幅がありますが、規模や期間の異なるファンドで満額での募集終了が相次いでいます。これらのファンドがどのような仕組みで、何を担保に、どう返済される計画なのか。それを理解するための土台として、まずはクラウドファンディング投資そのものの種類から見ていきましょう。

満額に達したファンドの詳細を公式サイトで見る

クラウドファンディングは大きく3つに分かれる

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める仕組みの総称です。「群衆(crowd)」と「資金調達(funding)」を組み合わせた言葉で、資金を出した人が何を受け取るかによって、大きく3つに分類されます。

寄付型:リターンを求めない支援

災害支援や社会貢献活動などに対して、見返りを求めずに資金を提供する形です。資金の出し手が受け取るのは、活動報告やお礼のメッセージ程度で、金銭的なリターンはありません。「応援したい」という気持ちそのものが目的になります。

購入型:商品やサービスを受け取る

新商品の開発や店舗の開業などに資金を出し、その対価として完成した商品やサービス、体験を受け取る形です。一般に「クラファン」と言ったときに多くの人がイメージするのは、この購入型でしょう。実態としては「予約購入」に近く、資金の出し手が受け取るのはモノやサービスであって、お金ではありません。

投資型:金銭的なリターンを受け取る

出資や貸付に対して、分配金や配当といった金銭的なリターンが想定される形です。資産運用の選択肢として語られるのは、この投資型です。寄付型・購入型と違い、金融商品として扱われるため、運営事業者には金融商品取引法や不動産特定共同事業法などにもとづく登録・許可が求められ、元本割れなどのリスクも伴います。

本記事で扱うのは、この投資型です。そして投資型の中にも、さらにいくつかの種類があります。

投資型クラウドファンディングの4つの種類

投資型クラウドファンディングは、資金が何に使われ、分配の原資が何かによって、主に次の4つに分けられます。

①融資型(貸付型):貸付金の利息が分配の原資

投資家から集めた資金を、事業者などに貸し付ける仕組みです。借り手が支払う利息が分配の原資となり、元本は返済期日に借り手から返済されることで投資家に戻ります。「ソーシャルレンディング」とも呼ばれ、AGクラウドファンディングはこの融資型に該当します。

分配の原資が貸付の利息であるため、借り手が予定どおり返済できるかどうかが最も重要なポイントです。そのため、借り手の信用力や、返済が滞った場合に備えた担保・保証の内容を確認することが、融資型を選ぶうえでの基本になります。

②不動産型:賃料収入や売却益が分配の原資

投資家の資金で不動産を取得・運用し、得られた賃料収入や売却益を分配する仕組みです。多くは「不動産特定共同事業法(不特法)」にもとづいて運営されます。投資家は不動産の運用事業に出資する立場となり、物件の稼働状況や売却価格が分配に影響します。

③株式型:未上場企業の株式を取得する

創業期・成長期の未上場企業に出資し、その株式を取得する仕組みです。企業が成長して株式の価値が上がったときの売却益が主な収益源となります。一方で、未上場株式は売買できる市場が限られており、企業の成長が実現しなければリターンが得られない可能性もあります。

④事業投資型(ファンド型):特定事業の収益が分配の原資

飲食店、酒造、再生可能エネルギーなど、特定の事業に出資し、その事業の売上や利益に応じて分配を受ける仕組みです。応援したい事業を選べる楽しさがある一方、分配はその事業の業績次第となります。

こうして並べると、同じ「投資型」でも、何がうまくいけば分配が得られるのかがまったく異なることが分かります。融資型であれば「借り手の返済」、不動産型であれば「物件の運用・売却」、株式型であれば「企業の成長」、事業投資型であれば「事業の業績」です。自分がどのリスクを取るのかを理解してから選ぶことが、クラウドファンディング投資の第一歩と言えるでしょう。

「不特法ファンドとは異なる貸付型ファンド」とはどういう意味か

ここで、冒頭で触れた一文に戻ります。AGクラウドファンディングの不動産担保ローンファンドの詳細ページには、ポイントの一つとして「不特法ファンドとは異なる貸付型ファンド」と記載されています。

「不動産担保ローンファンド」という名前から、不動産型のクラウドファンディングと混同されることがありますが、仕組みは前章の①融資型に該当します。どこが違うのかを整理しておきましょう。

投資家が出資する先が違う

不動産型(不特法ファンド)では、投資家の資金は不動産そのものの取得・運用に使われます。投資家は、その不動産から生まれる賃料や売却益の分配を受けます。

一方、AGクラウドファンディングの不動産担保ローンファンドでは、投資家は営業者であるAGレンディング株式会社と匿名組合契約を締結し、AGレンディングの貸付事業に出資します。AGレンディングは集めた資金を、不動産を担保に取ったうえで事業者に貸し付けます。公式サイトの投資スキームの説明でも、営業者であるAGレンディングが「企業に不動産担保を条件として貸付を行います」としたうえで、「投資家の皆様は、AGレンディングの貸付事業に対して出資していただくスキームです」とされています。

つまり、不動産は「投資対象」ではなく、貸付を保全するための「担保」という位置づけです。

分配の原資と、保全の考え方が違う

不動産型では、物件の賃料収入や売却益が分配の原資となるため、空室が増えたり、売却価格が計画を下回ったりすると、分配が減る可能性があります。こうした損失に備える仕組みとして、事業者自身も出資し、損失が出た場合にはまず事業者の出資分から負担する「優先劣後方式」を採用しているサービスもあります。

融資型である不動産担保ローンファンドの場合、分配の原資は借り手が支払う利息です。借り手の返済が滞った場合に備え、貸付には不動産の抵当権が設定されます。万一の際は担保不動産の売却などによって回収を図る、という保全の考え方です。このとき重要になるのが、担保の評価額に対してどれだけ貸しているかを示す「LTV」という指標です(後ほど詳しく解説します)。

どちらが優れているという話ではない

大切なのは、どちらかが一方的に優れているということではなく、リスクの所在が違うという点です。不動産型では物件の運用がうまくいくかどうか、融資型では借り手が返済できるかどうか、そして返済できなかったときに担保で回収できるかどうかがポイントになります。

AGクラウドファンディングの不動産担保ローンファンドを検討するのであれば、物件の利回りや賃料ではなく、担保の内容(抵当権の順位・LTV)、借り手の概要、返済原資となる出口戦略を確認する——これが「貸付型ファンド」としての正しい読み方になります。

貸付型ファンドの投資スキームを公式サイトで確認する

利回りの読み方:「年換算」「税引前」を手取りに直してみる

クラウドファンディング投資では、ファンドの一覧に利回りが大きく表示されます。ただし、その数字をそのまま「受け取れる金額」と考えると、実際との差に戸惑うことになります。読み方のポイントを3つ押さえておきましょう。

ポイント①:年換算の利回りは、運用期間を掛けて考える

AGクラウドファンディングのファンド詳細ページでは、利回りは「予定分配率(年換算)」と表示されています。これは、1年間運用した場合に換算した数値という意味です。運用期間が1年より短ければ、受け取る分配金はその分少なくなります。

たとえば、冒頭で紹介したファンドのうち、同じ予定分配率(年換算)6.00%でも、運用期間12カ月の#222と、運用期間3カ月の#221とでは、10万円を出資した場合の分配金の目安が次のように変わります(日割りや分配スケジュールを考慮しない単純計算です)。

  • 運用期間12カ月の場合:10万円 × 6.00% × 12/12 = 税引前 約6,000円
  • 運用期間3カ月の場合:10万円 × 6.00% × 3/12 = 税引前 約1,500円

同じ「6.00%」でも、受け取る金額は4倍違います。一方で、運用期間が短いファンドは資金の拘束期間も短く、償還後に別のファンドへ再投資するという使い方もできます。利回りと運用期間は必ずセットで見る——これが一覧を比較する際の基本です。

ポイント②:分配金からは20.42%が源泉徴収される

トップページに掲載されている利回りのレンジには「(税引前)」と明記されています。個人の投資家が受け取る分配金については、同社のよくあるご質問で「分配金は雑所得として総合課税の対象となります。分配金から源泉税20.42%を控除いたします」と説明されています。

先ほどの例に当てはめると、手元に入る金額の目安は次のとおりです。

  • 税引前 約6,000円 → 源泉徴収 約1,225円 → 手取り 約4,775円
  • 税引前 約1,500円 → 源泉徴収 約306円 → 手取り 約1,194円

実際の分配額は、契約締結前交付書面および匿名組合契約書の分配予定表にもとづいて計算されます。上記はあくまで考え方をつかむための目安としてご覧ください。

ポイント③:利回りの高さは、条件の違いを映している

予定分配率は、貸付先の状況、担保の内容、運用期間などを踏まえてファンドごとに設定されます。冒頭の速報でも、6.00%のファンドと7.00%のファンドが並んでいました。利回りが高いから良いファンド、低いから悪いファンド、という単純な話ではありません。その数字の背景にある担保や出口戦略を確認することが欠かせません。この点は、後ほど実際のファンドを題材に確認します。

なお、貸付先から予定より早く返済があった場合には、ファンドが早期に償還されることがあります。この場合、運用期間が短くなる分、受け取る分配金の総額は当初の想定を下回ることがあります。同社のよくあるご質問によれば、早期完済した場合の償還までの日数は「約15日」とされています(ファンドごとに異なり、事務手続き上の都合で前後する場合あり)。

予定分配率と運用期間を一覧で比較する

AGクラウドファンディングとは:運営会社と2つのファンドタイプ

ここからは、融資型クラウドファンディングの具体例として、AGクラウドファンディングの概要を確認します。融資型では、借り手の審査や債権管理を担う運営側の体制が特に重要になるため、運営会社の素性から見ていきましょう。

アイフルと同じムニノバホールディングスのグループ

AGクラウドファンディング株式会社は、東証プライム市場に上場するムニノバホールディングス株式会社を親会社に持つ企業です。公式サイトの「はじめての方へ」では、「2026年4月からアイフルグループはホールディング化によりムニノバホールディングスに生まれ変わりました」と説明されています。同社は、貸金業50年以上の実績を有するアイフル株式会社とはグループ会社の関係にあたります。

公式サイトに記載されている運営体制は次のとおりです。

  • 運営会社:AGクラウドファンディング株式会社(代表取締役社長 川瀬 光英)
  • 所在地:東京都港区芝二丁目31番19号 バンザイビル
  • 登録:第二種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3272号
  • 加入協会:一般社団法人 第二種金融商品取引業協会
  • 設立:2020年(令和2年)8月27日

ファンドの営業者であるAGレンディング株式会社は、ムニノバホールディングスが100%出資して設立した子会社で、貸金業者登録(東京都知事(2)第31872号)を受けています。AGクラウドファンディングとAGレンディングは、親会社を同じくする兄弟会社という関係です。

審査はアイフルの審査部を含む二段構え

融資型において、借り手の審査は運営の根幹です。公式サイトによれば、営業者であるAGレンディングの管理部が貸付先および担保物の必要書類を徴求して審査を行い、その後、グループ会社であるアイフル株式会社の審査部による審査(業務委託)を経る流れになっています。

さらにAGクラウドファンディング側でも、常勤取締役、コンプライアンス部長、第二種業内部管理統括責任者、管理部長、審査責任者、そして外部有識者(弁護士)をメンバーとする案件審査会が開かれ、承認された案件のみが取り扱われるとされています。審査項目には、事業の実在性・適正性、財務状況、担保不動産評価、反社会的勢力との関係有無など、19項目が公開されています。

性格の異なる2つのファンドタイプ

AGクラウドファンディングでは、2種類のファンドが用意されています。トップページに掲載されている実績値(2026年7月31日時点)は次のとおりです。

  • 安全性重視タイプ「アイフルファンド」……利回り0.84%〜1.50%(税引前)/期間6カ月
  • 収益性重視タイプ「不動産担保ローンファンド」……利回り4.0%〜10.0%(税引前)/期間12カ月から24カ月

アイフルファンドは、グループ会社であるアイフルへの貸付を通じて運用される短期のファンドです。不動産担保ローンファンドは、本記事で取り上げている、不動産を担保とした事業者向け貸付のファンドで、同サービスの主力にあたります。なお、ファンド一覧を見ると、#221(3カ月)や#218(8カ月)のように、上記の期間より短い運用期間で募集されたファンドもあります。条件はファンドごとに異なるため、個別の詳細ページで確認してください。

※表記の利回りは実績であり、将来の成果を保証するものではありません。

運営会社とファンドの種類を確認する

満額に達した5本のファンドを読む:担保・LTV・出口戦略

ここからは、冒頭で紹介した5本のファンドを1本ずつ見ていきます。先に、読み解きに使う3つの視点を整理しておきます。

  • 担保……どの不動産に、どの順位の抵当権が設定されているか。第一順位であれば、後順位の抵当権者に優先して担保不動産から回収を図れる立場になります
  • LTV(Loan To Value)……担保不動産の評価額に対する貸付額の割合。数値が低いほど、担保に対して控えめに貸している=保全の余裕が大きいと読めます。同社は担保不動産について第三者である不動産鑑定会社の価格調査報告書を入手しており、「価格調査報告書における不動産評価額の85%を上限(LTV85%まで)に貸付できるルール」としています
  • 出口戦略……借り手が何を原資に返済する計画か。不動産担保ローンファンドでは、担保不動産の売却代金を返済原資とする計画が多く見られます

①#218(土地建物@練馬区):3億6,000万円・東京プロマーケット上場企業への貸付

  • 予定分配率(年換算):6.00%/運用期間:8カ月(予定運用期間 2026年10月26日〜2027年6月25日)
  • 募集金額:360,000,000円/申込金額:360,000,000円
  • 担保:抵当権(第一順位)/LTV:80%
  • 物件:東京都練馬区田柄三丁目、都営大江戸線「光が丘」駅から徒歩9分の土地・建物

5本の中で最大規模となる3億6,000万円のファンドです。資金使途は、貸付先による対象不動産の取得資金と付帯諸費用。出口戦略は、取得後に確定測量を実施したうえで、分譲マンション用地または分譲用地として第三者へ売却する計画とされています。

貸付先は「S社」と匿名表記されていますが、会社概要として大阪府所在・2019年4月設立・資本金1億4,750万円の不動産会社であることが開示されており、2025年12月に東京プロマーケットに上場していると記載されています。「設立以降、着実に事業規模を拡大しており、黒字決算を継続し成長を続けています」との説明もあります。セイムボート出資対象案件です。

②#219(一棟アパート@新宿区):購入希望者が現れている出口戦略

  • 予定分配率(年換算):7.00%/運用期間:12カ月
  • 募集金額:78,000,000円/申込金額:78,000,000円(充足率100%)
  • 担保:抵当権(第一順位)/LTV:85%
  • 物件:東京都新宿区、西武新宿線「下落合」駅徒歩4分の1棟アパート

資金使途はアパート1棟の購入資金です。出口戦略は、入居者との退去交渉を実施し、完了後に現況のまま第三者へ転売するというもの。ファンドのポイントには「購入希望者あり」、出口戦略の説明には「売却先候補企業も現れている状況」と記載されています。

LTVは同社ルールの上限にあたる85%で、#220(66%)などと比べると、担保評価に対する貸付額の余裕は小さめの設定です。一方で、駅徒歩4分という都心の駅近立地と、売却先候補の存在が示されている点は、出口の実現性を判断する材料になります。セイムボート出資対象案件です。

③#220(土地@川崎市):LTV66%、取得後の建物も追加担保に

  • 予定分配率(年換算):6.00%/運用期間:12カ月
  • 募集金額:40,000,000円/申込金額:40,000,000円(充足率100%)
  • 担保:根抵当権(第一順位。極度額5,600万円)/LTV:66%
  • 物件:神奈川県川崎市中原区、JR南武線「武蔵中原」駅徒歩8分の土地

資金使途は土地の購入資金です。出口戦略は、土地上に存在する建物2棟を取得したうえで入居者との退去交渉を行い、完了後に建物を解体して更地として第三者へ売却する計画。ファンドのポイントには「取得後の建物も追加担保に設定」と記載されています。

LTVは66%で、同社の上限85%に対して余裕のある水準です。土地と建物の権利を集約して資産価値を高めたうえで売却する、という出口の組み立ても明示されています。

貸付先は「E社」と匿名表記されており、会社概要は東京都所在・2015年10月設立・資本金5,000万円、建売住宅の建設および販売などを営む企業と記載されています。前掲の#219の貸付先も、公式サイト上は同じく「E社」と表記され、会社概要も同様の内容です。いずれのファンドページでも、「会社設立から約10年で売上高500億円規模まで成長」した企業であり、過去27件のファンド取り組み実績のうち17件がすでに完済していると紹介されています。

④#221(貸別荘@沖縄県名護市):運用期間3カ月の短期案件

  • 予定分配率(年換算):6.00%/運用期間:3カ月
  • 募集金額:39,300,000円/申込金額:39,300,000円(充足率100%)
  • 担保:抵当権(第一順位)/LTV:85%
  • 物件:沖縄県名護市の土地・建物(別荘・宿泊施設用途を前提とした不動産)

古宇利島や美ら海水族館など、沖縄本島北部の観光スポットへのアクセスに優れた立地の貸別荘を担保とするファンドです。資金使途は、貸付先が保有する不動産のバックファイナンス。出口戦略は、物件をシェア別荘として販売するというユニークなもので、権利を25分割し、25分の1を貸付先が保有、残りの25分の24について計24名のオーナーを募り、その売却で得た資金を返済に充てる計画とされています。

運用期間は3カ月と、今回取り上げた中で最も短い設計です。前述のとおり、年換算の予定分配率が同じでも受け取る分配金は短期間の分だけ小さくなりますが、資金の拘束期間を短く区切りたい方にとっては選択肢の一つになります。貸付先は「K社」と匿名表記され、東京都所在・2016年7月設立・資本金1億円、ファイナンシャルプランニング業務や資産形成に関するコンサルティング業務を営む企業と記載されています。同社向けのファンドで7件の完済実績があるとされています。

⑤#222(土地建物@沖縄県那覇市):連帯保証も付いた開発用地案件

  • 予定分配率(年換算):6.00%/運用期間:12カ月
  • 募集金額:80,000,000円/申込金額:80,000,000円(充足率100%)
  • 担保:抵当権(第一順位)/保証:連帯保証人(個人)/LTV:74%
  • 物件:沖縄県那覇市牧志三丁目、沖縄都市モノレール(ゆいレール)牧志駅徒歩圏の土地・建物

那覇市中心部の開発用地を担保とするファンドです。資金使途は、貸付先による対象不動産の購入資金。出口戦略は、購入後に既存建物の解体と造成工事を行い、建築プラン付きで第三者へ売却する計画です。

特徴は、抵当権に加えて個人の連帯保証が設定されている点です。ファンドのポイントでも「連帯保証契約を締結し、債権保全性を高めた案件」と説明されています。LTVは74%。なお、建物を解体して更地で売却する場合は担保から建物を外すことになるものの、「建物は無評価のためLTVに影響はありません」と注記されています。貸付先は「R社」と匿名表記され、東京都所在・2004年9月設立、建築土木の工事・測量・設計や土地建物の売買・媒介などを営む企業と記載されています。セイムボート出資対象案件です。

5本を並べて見えること

こうして並べると、LTVは66%から85%まで、運用期間は3カ月から12カ月まで、出口戦略も「更地売却」「現況のまま転売」「分譲マンション用地または分譲用地としての売却」「シェア別荘としての販売」「建築プラン付き売却」とさまざまです。担保は5本すべてが第一順位の(根)抵当権でした。

そして見逃せないのが、貸付先が匿名でありながら、所在地・設立年月・資本金・事業内容・過去の完済実績まで開示されている点です。融資型クラウドファンディングでは「誰に貸すのか」が最大の関心事ですが、AGクラウドファンディングでは会員登録をしなくても、ファンド詳細ページの「ファンド概要」「融資概要」でこうした主な情報を確認できます(より詳しい情報は、ログイン後の「投資家限定情報」に掲載されています)。

ファンドの担保・出口戦略を詳しく見る

投資家の資金はどう守られているのか

担保やLTVは個々のファンドの話ですが、サービス全体として投資家の資金がどう扱われるのかも確認しておきましょう。公式サイトのファンド詳細ページには、次のような仕組みが記載されています。

金銭信託による分別管理

投資家が送金した資金は、同社が指定する分別口座で受け入れられたのち、週に一日設定される基準日から3営業日以内に、金銭信託のために開設した信託口座へ送金して分別管理されます。借り手から返済された分配金・償還金についても、同様に信託口座で分別管理される流れです。運営会社自身の資産と投資家の資金を分けて管理するための仕組みです。

ノンリコースローンではない

営業者と貸付先との金銭消費貸借契約は「ノンリコースローン(責任財産が限定された契約)ではない」とされています。そのため、貸付金の返済が行われない場合には、担保権の実行だけでなく、貸付先の一般財産を対象に支払いを求めることができるとされています。

3カ月ごとのモニタリングと回収方針

貸付実行後も、営業者および貸付先のモニタリングを3カ月ごとに実施し、資金使途の状況などを確認するとされています。遅延やデフォルトが発生した場合は直ちに営業者が債権回収を行い、遅延発生後6カ月を経過しても回収できない場合は、担保不動産の任意・強制売却を行う方針が示されています。

セイムボート出資

ファンドによっては「セイムボート出資対象案件」と明記されています。今回取り上げた中では#218、#219、#222が対象でした。運営側も同じファンドに出資することで、投資家と同じ立場に立つ仕組みです。

もちろん、これらの仕組みがあっても元本や分配が保証されるわけではありません。ただ、仕組みが公開されていること自体が、サービスを比較する際の判断材料になります。

少額から始めるときに知っておきたい3つのこと

クラウドファンディング投資は、少額から始められる点も魅力の一つです。AGクラウドファンディングでは1円から1円単位で申し込みが可能で、公式サイトでは「月々のお小遣いや、お手元の預貯金やボーナスなどから気軽に始めることが可能」と案内されています。少額から始める際に知っておきたいポイントを整理します。

①少額すぎると分配金が0円になることがある

同社のよくあるご質問では、「分配金の計算は1円単位で行い、円未満は切り捨て処理されます。少額投資の場合、分配金が0円となる場合があります」と注意喚起されています。1円から申し込めるのは「仕組みを試す」うえで大きな利点ですが、分配金を実際に受け取りたいのであれば、ある程度の金額を出資する必要があります。なお、ファンドによって最低出資額が異なる場合もあるため、募集されるファンドの概要で確認してください。

②募集方式は先着式

同社のよくあるご質問によれば、「先着式とは、お申込を先着順で受け付け、募集金額が満額となった時点で募集受付を終了するもの」であり、「当社では、現在、先着式のみ採用しております」とされています。冒頭で紹介したように満額で募集を終えるファンドが相次いでいる状況では、気になるファンドが出てから会員登録を始めると、本人確認や審査が終わる頃には募集が終わっているということも起こり得ます。

会員登録にかかる日数は、スマートフォンでのオンライン本人確認(Proost)で完結する場合「最短で当日、原則翌営業日」とされています。一方、オンライン入力+ハガキ郵送を選んだ場合は、郵送の日数が加算されます。

③ファンドは「成立金額」に達すれば運用が始まる

ファンドには、募集金額とは別に「成立金額」が設定されています。同社のよくあるご質問では、目標金額に満たない場合でも最低成立金額を上回る申し込みがあればファンドは成立して予定どおり運用が開始され、最低成立金額に達しなかった場合はファンド未成立となり契約はキャンセルされる、と説明されています。たとえば#222は募集金額8,000万円に対して成立金額7,000万円、#218は募集金額3億6,000万円に対して成立金額3億円と記載されていました。

少額から始め、運用期間や担保の異なるファンドに少しずつ分けて出資してみる——その中で、分配のタイミングや手取り額を自分の目で確かめていくのが、融資型クラウドファンディングとの上手な付き合い方と言えるでしょう。

現在、会員登録で1,000円分のVプリカギフトを進呈中

ここまでサービスの中身を見てきましたが、AGクラウドファンディングでは現在、新規会員登録で1,000円分の「Vプリカギフト」を進呈するキャンペーンも実施されています。投資をしなくても、会員登録を完了するだけで対象になる内容です。

公式サイトに掲載されているキャンペーン案内に記載された適用条件は、次の2点です。

  • 会員登録を完了されていること
  • 会員登録時にメールマガジンのご案内に承諾いただいていること

特に注意したいのが2つ目です。登録フォームでメールマガジンの案内に承諾していないと、登録そのものは完了していても対象外になります。手続きの際は、この一点を必ず確認してください。

案内には、進呈の運用について次のように記載されています。

  • 適用基準日は会員登録の完了日
  • 進呈は適用基準日の翌月下旬を予定。登録したメールアドレスへの送信による進呈
  • プレゼント進呈までに退会した場合や、同社が適用することを不適切と判断した場合は対象外
  • 事前の告知なしに中止・変更となる場合がある

Vプリカギフトは、ライフカード株式会社が提供するVisaのプリペイドカードで、アカウント登録をしなくてもネットショッピングの支払いに使えるのが特徴です。一方で、実店舗では使えないこと、有効期限があることには注意が必要です。

なお、このキャンペーンには終了期日が公表されていません。「事前の告知なしに中止、変更させていただく場合があります」とされているため、検討している方は条件が変わらないうちに手続きを済ませておくのが無難でしょう。また、過去には特定のファンドへの一定額以上の出資を条件に、Vプリカをプレゼントする企画が設定されたファンドもありました(#218)。こうした企画の有無や条件はファンドごとに異なるため、最新の情報は公式サイトで確認してください。

とはいえ、特典はあくまで入口です。判断の軸は、本記事で見てきた担保と条件に置くことをおすすめします。会員登録を済ませておけば、ログイン後に閲覧できる「投資家限定情報」も含めて、ファンドの中身をより詳しく確かめられるようになります。

会員登録は3ステップ

  1. メールアドレス登録……「会員登録」からメールアドレスなどの必要事項を入力して申請します。届いた「メールアドレス登録完了メール」に記載のURLから次に進みます
  2. 本人確認方法の選択と書類の提出……「オンライン本人確認(proost)」か「オンライン入力+ハガキ郵送(proost以外)」のいずれかを選び、本人確認書類の提出、氏名・住所などの本人情報の入力、マイナンバー資料の提出を行います
  3. 審査・会員登録完了……同社の審査で問題がなければ、登録したメールアドレスに審査結果が届き、会員登録完了となります

公式サイトの「ご利用の流れ」では、オンライン入力で登録する際に、本人確認書類、マイナンバーが記載されている書類、銀行口座がわかるもの(預金通帳、キャッシュカード)の3点の画像データを事前に用意しておくとスムーズ、と案内されています。会員登録にかかる手数料は無料です。

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手数料・税金・リスク:始める前に押さえておきたいこと

最後に、実際に始める前に必ず確認しておきたいコストと税金、そしてリスクを整理します。

手数料:投資金額以外はかからない。ただし振込手数料は自己負担

同社のよくあるご質問によれば、投資金額以外の手数料等はなく、会員登録にかかる手数料も無料です。出資に際して申込手数料もかかりません。

ただし、預かり金を自分の銀行口座へ出金する際の振込手数料は投資家の負担です。GMOあおぞらネット銀行の場合は無料、それ以外の銀行の場合は一律99円(税込)/件とされています。投資金を払い込む際の銀行振込手数料も投資家の負担となります。少額で始める場合ほど、この差は相対的に大きくなるため、出金先の銀行は意識しておきたいところです。

税金:種類によって扱いが異なる

クラウドファンディング投資の税金は、種類によって所得の区分が異なります。一般的な取り扱いは次のとおりです(実際の区分は契約形態や投資家の状況によって異なる場合があります)。

  • 融資型(匿名組合型)……雑所得(総合課税)
  • 不動産型(匿名組合型)……雑所得(総合課税)
  • 不動産型(任意組合型)……不動産所得
  • 株式型……株式の売却益は譲渡所得(申告分離課税)、配当は配当所得
  • 事業投資型(匿名組合型)……雑所得(総合課税)

AGクラウドファンディングの場合、個人の分配金は雑所得として総合課税の対象となり、分配時に源泉税20.42%が控除されます。確定申告については、同社のよくあるご質問で「原則として確定申告を行う必要があります。ただし、他の雑所得と合算して20万円を超えない場合は、所得税の確定申告を行う必要はありません」と案内されています。確定申告に使える「支払調書」は、ログイン後の「各種書類」ページからダウンロードでき、翌年1月〜2月上旬ごろに発行されます。退会後はダウンロードできなくなるため、退会時に請求する必要があります。

また、雑所得は給与所得などとの損益通算ができず、投資型クラウドファンディングはNISAやiDeCoの対象商品でもありません。住民税の取り扱いは所得税と異なる場合もあります。詳しくは国税庁のWebサイトや所轄の税務署、税理士にご確認ください。

主なリスク

投資である以上、リスクは必ず存在します。公式サイトに記載されている主なものを整理します。

  • 元本は保証されていません……匿名組合契約は、一定の利益の分配および出資金の元本の償還を保証するものではなく、出資金の一部または全部に損失が生じる可能性があります
  • 担保があっても全額の回収が保証されるわけではありません……担保権を実行する場合でも、売却先が現れないことによる不奏功や担保物件の価値の下落などにより、貸付金全額の回収が困難となる可能性があります
  • 原則として中途解約はできません……出資持分には市場価格がなく、譲渡にも制限があります。契約成立日を含め8日を経過しない間のクーリング・オフを除き、契約の取消しや中途解約はできません
  • 期限前弁済・運用期間の変更……貸付先が期日前に返済した場合、実際の分配額が当初の想定を下回ることがあります。また、運用期間が延長・短縮される場合があるファンドもあります
  • 信用リスク……貸付先だけでなく、営業者・運営会社・取引金融機関の破綻などによっても、分配や償還に影響が生じる可能性があります
  • 間接的な費用負担……運用収益から支払われる第三者への報酬、回収費用、営業者報酬などを、間接的に負担することになります

記載している予定分配率・利回りは、いずれも「予定」であり、将来の成果を保証するものではありません。申し込みの際は、契約締結前交付書面および匿名組合契約書を十分に確認したうえで、ご自身の判断で決定してください。

まとめ:種類を知れば、見るべきポイントが分かる

本記事の要点を改めて整理します。

  • クラウドファンディングは寄付型・購入型・投資型の3つに分かれ、金銭的なリターンを受け取るのは投資型
  • 投資型は融資型・不動産型・株式型・事業投資型の4種類。何がうまくいけば分配が得られるのかが、種類ごとに異なる
  • AGクラウドファンディングの不動産担保ローンファンドは「不特法ファンドとは異なる貸付型ファンド」。不動産は投資対象ではなく、貸付を保全する担保という位置づけ
  • 利回りは「年換算」「税引前」。運用期間を掛け、源泉徴収20.42%を差し引いて手取りで考える
  • 運営は東証プライム上場のムニノバホールディングスを親会社に持ち、貸金業50年以上のアイフルとはグループ会社の関係。審査はアイフルの審査部による審査(業務委託)を含む二段構え
  • 2026年10月には#218〜#222の5本が募集金額の満額に到達。LTVは66%〜85%、出口戦略もファンドごとに異なり、利回り・LTV・出口戦略をセットで読むことが大切
  • 1円から申し込め、手数料は投資金額以外かからない(振込手数料は自己負担)。現在、会員登録で1,000円分のVプリカギフトを進呈中(メールマガジンの案内への承諾が条件)

クラウドファンディング投資は、種類ごとの違いを理解して初めて、「何を確認すればよいか」が見えてくる金融商品です。融資型であれば、担保がどう設定され、誰にどんな条件で貸し、どのように返済される計画なのか。AGクラウドファンディングでは、満額で募集を終えたファンドを含め、こうした情報をファンドごとに公開しています。まずは会員登録を済ませ、実際のファンド情報を自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか。

AGクラウドファンディングの公式サイトを見る

※本記事は2026年10月25日時点で公式サイトに掲載されている情報にもとづいて作成しています。キャンペーンの内容・実施期間、ファンドの条件は変更される場合がありますので、最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得を勧誘するものではありません。融資型クラウドファンディングは元本保証のある商品ではなく、貸付先の状況等により元本割れが生じる可能性があります。投資の最終判断は、契約締結前交付書面等を十分にご確認のうえ、ご自身の責任において行ってください。

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クラウドファンディング投資検証チーム
金融と知識で人生をエンパワメントする複合メディア、「fill.media」。

中でも、クラウドファンディング投資(不動産投資型クラウドファンディングや、融資型クラウドファンディング)専門の検証チームでは、日本国内で展開されている不動産クラウドファンディング(不動産特定共同事業)サービス等に関する最新情報を提供するほか、クラウドファンディング投資業界の市場調査、各社の公開済ファンドの検証などを実施しています。

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