【落とし穴?】ソーシャルレンディング元本保証がない理由

ソーシャルレンディング投資の元本保証がない理由

ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)への投資を検討されているのですね。少額から始められ、比較的高めの利回りが期待できることから、興味を持つ方が増えています。しかし、投資である以上、リスクはつきものです。中でも、ソーシャルレンディングに「元本保証がない」という点は、しっかり理解しておく必要があります。

では、なぜソーシャルレンディングには元本保証がないのでしょうか?その理由を具体的に解説いたします。

1. 貸付先の倒産リスク

ソーシャルレンディングは、投資家から集めた資金を、企業や個人などの借り手(融資先)に貸し付ける仕組みです。もし、借り手が事業に失敗したり、経済状況が悪化したりして倒産した場合、貸し付けた資金が返済されなくなる可能性があります。これが、元本が毀損する最も大きな要因です。

ソーシャルレンディング事業者は、融資先の審査を厳格に行っていますが、未来を確実に予測することはできません。審査を通過した企業でも、予期せぬ事態によって経営が傾くことはあり得ます。

2. 不動産担保の評価額変動リスク

ソーシャルレンディングの中には、不動産担保付きの案件もあります。担保があるから安心、と思われるかもしれませんが、不動産の価値は常に変動します。

  • 地価の下落:景気悪化や災害などにより、不動産価格が下落することがあります。
  • 不動産の老朽化:時間が経つにつれて、不動産の価値は徐々に低下します。
  • 競売価格の低下:万が一、融資先が返済できなくなり、担保不動産を競売にかけても、必ずしも貸付金額を回収できるとは限りません。

担保があるからといって、元本が完全に保証されるわけではないことを理解しておきましょう。

3. カントリーリスク

海外の企業やプロジェクトに投資するソーシャルレンディングの場合、カントリーリスクも考慮する必要があります。

  • 政治情勢の不安定化:政変やクーデターなどにより、経済状況が大きく変動し、投資資金が回収できなくなる可能性があります。
  • 為替変動リスク:投資先の通貨が下落すると、円換算した際の価値が目減りしてしまいます。
  • 法規制の変更:投資先の国の法律や規制が変更され、投資に不利な状況になることも考えられます。

4. ソーシャルレンディング事業者のリスク

ソーシャルレンディング事業者は、投資家と融資先を結びつける役割を担っています。しかし、事業者自体も経営リスクを抱えています。

  • 事業者の倒産:事業者が経営破綻した場合、投資資金が保全されるとは限りません。分別管理されている場合でも、手続きに時間がかかったり、全額が返還されない可能性もあります。
  • 事業者による不正行為:悪質な事業者の場合、資金の不正流用や虚偽の情報を開示するなどの行為を行う可能性があります。

投資先だけでなく、ソーシャルレンディング事業者自体の信頼性も慎重に判断する必要があります。

5. 投資である以上、リスクは必ず存在する

ソーシャルレンディングは、あくまでも「投資」です。預金とは異なり、元本が保証されているものではありません。リスクを理解した上で、自己責任で投資判断を行う必要があります。

ソーシャルレンディングへの投資を検討する際には、以下の点に注意しましょう。

  1. 分散投資:複数の案件に分散して投資することで、リスクを軽減できます。
  2. 少額投資:最初は少額から始め、慣れてきたら徐々に投資額を増やすようにしましょう。
  3. 情報収集:ソーシャルレンディング事業者の情報や、融資先の情報をしっかりと収集し、理解した上で投資判断を行いましょう。
  4. リスク許容度:ご自身の資産状況や投資経験などを考慮し、無理のない範囲で投資を行いましょう。

ソーシャルレンディングは、上手に活用すれば資産運用の選択肢の一つとなります。しかし、元本保証がないというリスクを十分に理解し、慎重に投資判断を行うことが大切です。

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