【プロが教える】不動産投資、収益物件の価値を見抜く極意

不動産投資、収益物件の価値を見抜く極意

不動産クラウドファンディングへの投資を検討されている皆様、こんにちは。数ある投資案件の中から、本当に価値のある収益物件を見極めるのは、容易ではありません。今回は、プロの視点から、収益物件の査定方法と評価基準を分かりやすく解説いたします。

収益物件の査定方法

収益物件の価値を正しく評価するためには、多角的な視点が必要です。ここでは、主要な査定方法を3つご紹介します。

1. 収益還元法

収益還元法は、物件が生み出す将来の収益に基づいて価値を算出する方法です。具体的には、以下の計算式を用います。

物件価格 = 年間純収益 ÷ 期待利回り

年間純収益は、家賃収入から管理費、修繕費、固定資産税などの経費を差し引いた金額です。期待利回りは、投資家が求める利回りのことで、物件のリスクに応じて設定されます。

例:年間純収益1,000万円、期待利回り5%の場合、物件価格は2億円となります。

収益還元法は、安定した収益が見込める物件の評価に適しています。ただし、将来の収益を予測する必要があるため、市場動向や賃料相場の変動に注意が必要です。

2. 原価法

原価法は、物件を再建築した場合にかかる費用(再調達原価)から、経年劣化による減価償却費を差し引いて価値を算出する方法です。

物件価格 = 再調達原価 - 減価償却費

再調達原価は、建築費、設計費、諸経費などを合計した金額です。減価償却費は、建物の種類や構造、築年数に応じて計算されます。

原価法は、新築物件や築浅物件の評価に適しています。ただし、土地の価格は考慮されないため、立地条件の良い物件の評価には不向きです。

3. 取引事例比較法

取引事例比較法は、類似の物件の取引事例を参考に、対象物件の価値を算出する方法です。

物件価格 = 類似物件の取引価格 × 個別要因

個別要因は、対象物件と類似物件の立地、築年数、規模、設備などの違いを考慮して調整する係数です。

取引事例比較法は、市場の動向を反映しやすく、実勢価格に近い評価が得られる傾向があります。ただし、適切な類似物件の選定が重要となります。

収益物件の評価基準

収益物件の価値を判断するためには、以下の評価基準を参考にすると良いでしょう。

  1. 立地条件:駅からの距離、周辺環境、生活利便性などを考慮します。
  2. 物件の状態:築年数、修繕状況、設備などを確認します。
  3. 入居状況:空室率、賃料水準、入居者の属性などを把握します。
  4. 将来性:周辺の開発計画、人口動態などを考慮します。

これらの評価基準を総合的に判断することで、物件の収益性やリスクをより正確に把握することができます。

不動産クラウドファンディングにおける注意点

不動産クラウドファンディングは、少額から不動産投資に参加できる魅力的な手段ですが、注意点もあります。

  • 情報開示:プロジェクトの詳細情報(物件情報、収支計画、リスクなど)が十分に開示されているか確認しましょう。
  • 運営会社の信頼性:運営会社の運営実績や財務状況などを確認しましょう。
  • リスク:元本保証がないこと、流動性が低いことなどを理解しておきましょう。

不動産クラウドファンディングは、手軽に不動産投資を始められる一方で、リスクも伴います。投資判断は慎重に行い、ご自身の投資目標やリスク許容度に合わせて選択するようにしましょう。

不動産投資は、長期的な視点で取り組むことが大切です。焦らず、じっくりと物件を見極め、賢い投資判断を心がけましょう。

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