【不動産投資】泣き寝入りしない!保護制度活用術

不動産クラウドファンディングにおける、投資家保護制度の活用方法

不動産クラウドファンディングは、手軽に不動産投資を始められる魅力的な選択肢ですが、投資である以上、リスクはつきものです。万が一の事態に備え、投資家保護制度を理解し、活用することは非常に重要です。今回は、不動産クラウドファンディングにおける投資家保護制度とその活用方法について解説いたします。

1. 優先劣後構造の確認

多くの不動産クラウドファンディングでは、「優先劣後構造」が採用されています。これは、投資家(優先出資者)と事業者(劣後出資者)が資金を出し合い、損失が発生した場合、まず事業者側の出資金から損失を補填するという仕組みです。

  • 優先出資者: 一般の投資家。損失が発生した場合、劣後出資者の出資金で保護される。
  • 劣後出資者: 不動産クラウドファンディング事業者。リスクを最初に負担する。

投資を検討する際は、必ず優先劣後構造の割合を確認しましょう。劣後出資の割合が高いほど、投資家の保護は手厚くなると言えます。

2. 保証・担保の有無

不動産クラウドファンディング案件の中には、保証会社による保証や、不動産担保が設定されているものがあります。

  • 保証: 保証会社が、万が一の場合に元本や利息を保証する。
  • 担保: 不動産が担保として設定され、万が一の場合には不動産を売却して投資家に資金を返済する。

これらの保証・担保が付いている案件は、一般的にリスクが低いとされています。ただし、保証内容や担保の評価額などをしっかりと確認することが重要です。

3. 不動産特定共同事業法に基づく監督

不動産クラウドファンディングは、「不動産特定共同事業法」という法律に基づいて運営されています。この法律は、投資家保護を目的として、事業者の登録や情報開示などを義務付けています。

  • 事業者の登録: 国土交通大臣または都道府県知事の登録が必要です。登録事業者は、一定の要件を満たす必要があり、定期的な監査も受ける必要があります。
  • 情報開示: 事業者は、投資家に対して、事業計画やリスクに関する情報を詳しく開示する義務があります。

投資を行う際は、必ず事業者が不動産特定共同事業法に基づく登録を受けているかを確認しましょう。また、事業者が開示する情報をしっかりと読み込み、リスクを理解した上で投資判断を行うことが重要です。

4. 倒産隔離(分別管理)

不動産クラウドファンディング事業者が万が一倒産した場合に備え、投資家の資金が保護される仕組みとして、「倒産隔離(分別管理)」があります。

  • 分別管理: 投資家から預かった資金を、事業者自身の資産とは明確に区別して管理する方法です。これにより、事業者が倒産した場合でも、投資家の資金は保護されます。

多くの不動産クラウドファンディング事業者は、信託銀行等に資金を預託する形で分別管理を行っています。

5. 契約成立前交付書面と契約成立時交付書面の確認

不動産クラウドファンディングでは、投資を行う前に「契約成立前交付書面」、投資後に「契約成立時交付書面」が交付されます。これらの書面には、投資に関する重要な情報が記載されていますので、必ず内容をしっかりと確認しましょう。

  1. 契約成立前交付書面: 投資を行う前に交付される書面。投資対象となる不動産の情報、リスク、手数料などが記載されています。
  2. 契約成立時交付書面: 投資が成立した後に交付される書面。契約内容や分配金の計算方法などが記載されています。

6. 相談窓口の活用

不動産クラウドファンディングに関するトラブルが発生した場合や、疑問点がある場合は、以下の相談窓口を活用しましょう。

  • 国民生活センター: 消費者からの相談を受け付けています。
  • 金融ADR制度: 金融機関との紛争解決を支援する制度です。

これらの相談窓口は、中立的な立場でアドバイスや情報提供を行ってくれます。

まとめ

不動産クラウドファンディングは、投資家保護のための様々な制度が設けられています。これらの制度を理解し、活用することで、リスクを軽減し、安心して投資を行うことができます。投資を行う際は、必ず事業者の情報を確認し、リスクを理解した上で、慎重に判断しましょう。

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