【ソーシャルレンディング】安心？担保・保証ファンド選びのコツ

ソーシャルレンディング（融資型クラウドファンディング）で、リスクを抑えた投資を考える上で重要なのが、担保・保証付きファンドの選択です。しかし、「担保付き」「保証付き」と謳われていても、その内容をしっかりと理解せずに投資してしまうと、期待したほどの保全効果が得られない場合があります。そこで今回は、担保・保証付きファンドを見極める上で、ぜひ押さえていただきたいポイントをご紹介します。

1. 担保の種類と評価額をチェック

担保には、不動産、有価証券、債権など様々な種類があります。それぞれの担保の種類によって、換金性や価値の安定性が大きく異なります。

* 不動産担保: 一般的に評価額が高く、担保としての価値も高いとされています。しかし、流動性が低く、売却に時間がかかる場合や、市況の影響を受けやすいというデメリットもあります。担保不動産の所在地、築年数、周辺環境などを確認し、担保価値が適切かどうかを判断しましょう。
* 有価証券担保: 換金性が高く、比較的流動性が高いのがメリットです。ただし、市場価格の変動リスクがあるため、担保価値が大きく変動する可能性があります。担保となる有価証券の種類（株式、債券など）や発行体の信用力を確認することが重要です。
* 債権担保: 債務不履行が発生した場合に、他の債務者からの回収によって資金を回収するものです。回収可能性や回収期間などを慎重に検討する必要があります。

担保評価額が、融資額に対して十分な割合を占めているかを確認することも重要です。一般的に、担保掛目（担保評価額に対する融資額の割合）が低いほど、担保としての保全効果が高いと言えます。

2. 保証の種類と保証会社の信用力を確認

保証には、保証会社による保証や、代表者による個人保証などがあります。

* 保証会社による保証: 保証会社が債務者の債務を保証するものです。保証会社の信用力が非常に重要になります。保証会社の格付けや財務状況などを確認し、保証能力があるかどうかを判断しましょう。
* 代表者による個人保証: 代表者が個人の資産で債務を保証するものです。代表者の資産状況や信用力を確認する必要があります。ただし、個人保証は、保証履行能力に限界がある場合もあります。

保証付きファンドを選ぶ際は、保証の内容（保証範囲、保証期間など）を詳細に確認することが重要です。また、保証料がファンドの利回りに与える影響も考慮しましょう。

3. LTV（Loan to Value）を確認

LTVとは、不動産担保融資における融資額の担保不動産評価額に対する割合のことです。LTVが低いほど、担保余力があり、投資家のリスクは低いと言えます。例えば、LTVが70%であれば、担保不動産評価額が30%下落しても、融資額を回収できる計算になります。

4. リスクに関する情報開示をチェック

ソーシャルレンディング事業者は、投資家保護のため、ファンドのリスクに関する情報を開示する義務があります。ファンドの詳細情報、担保・保証に関する情報、過去のデフォルト実績などをしっかりと確認し、リスクを理解した上で投資判断を行いましょう。リスク情報が不足している事業者や、リスクに関する説明が曖昧な事業者には注意が必要です。

5. 分散投資を心がける

担保・保証付きファンドであっても、元本が保証されているわけではありません。ソーシャルレンディング投資においては、複数のファンドに分散投資することで、リスクを分散することが重要です。一つのファンドに集中投資するのではなく、様々な種類のファンドに分散投資することで、万が一の事態に備えましょう。

これらのポイントを踏まえ、ご自身の投資目標やリスク許容度に合わせて、慎重にファンドを選びましょう。ソーシャルレンディングは、比較的新しい投資手法であり、リスクも伴います。投資は自己責任で行うということを忘れずに、慎重な判断を心がけてください。