ソーシャルレンディング:リスク別ポートフォリオ戦略
ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)は、比較的手軽に始められる投資として注目されていますが、当然ながらリスクも伴います。そこで今回は、ご自身のリスク許容度に合わせて、より安全にソーシャルレンディングを活用するためのポートフォリオ戦略について解説いたします。
まず、ご自身のリスク許容度を把握することが重要です。リスク許容度とは、投資によって損失が発生した場合に、どこまでなら精神的に耐えられるか、資金的に許容できるかという度合いのことです。以下の要素を考慮して、ご自身のリスク許容度を判断してみましょう。
* 年齢:一般的に、若いほど投資期間が長く取れるため、リスク許容度は高くなります。
* 収入と資産:収入が多く、十分な資産があるほど、損失をカバーできるため、リスク許容度は高くなります。
* 投資経験:投資経験が豊富なほど、リスクに対する理解が深いため、リスク許容度は高くなる傾向があります。
* 投資目的:老後資金のように、確実に増やしたい場合は、リスク許容度を低く設定する必要があります。
ご自身のリスク許容度を把握したら、それに応じてポートフォリオを構築します。一般的に、リスク許容度に応じて以下の3つのタイプに分けられます。
1. ローリスク型ポートフォリオ
* 特徴:元本割れのリスクを極力避けたい方向け。
* 投資先:担保・保証付きの案件を中心に、格付けの高い案件を選びます。
* 利回り:低め(2~4%程度)
* 期間:短期(1年以内)の案件を中心に組み込みます。
* ポイント:複数の案件に分散投資することで、さらにリスクを低減できます。
2. ミドルリスク型ポートフォリオ
* 特徴:ある程度のリスクは許容できるが、安定的なリターンを重視したい方向け。
* 投資先:担保・保証付きの案件に加え、事業内容が明確な案件も検討します。
* 利回り:中程度(4~7%程度)
* 期間:中期(1~3年)の案件を組み込みます。
* ポイント:ポートフォリオ全体で分散投資を行い、バランスを取ることが重要です。
3. ハイリスク型ポートフォリオ
* 特徴:高いリターンを狙いたい方向け。元本割れのリスクも高いことを理解しておく必要があります。
* 投資先:担保・保証がない案件や、新規事業への投資など、高利回りが期待できる案件。
* 利回り:高め(7%以上)
* 期間:長期(3年以上)の案件も検討に入れます。
* ポイント:少額から投資を始め、実績を見ながら徐々に投資額を増やすことをお勧めします。
以下は、リスク許容度別のポートフォリオ例です。
- ローリスク型:担保付き案件80%、格付けの高い案件20%
- ミドルリスク型:担保付き案件50%、事業内容が明確な案件30%、不動産担保案件20%
- ハイリスク型:不動産担保案件30%、新規事業案件40%、その他高利回り案件30%
ソーシャルレンディングは、あくまで投資の一つの選択肢です。ご自身の資産状況や投資目標に合わせて、他の投資商品と組み合わせることも検討しましょう。また、ソーシャルレンディング事業者を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
- 事業者の信頼性:運営会社の財務状況や実績を確認しましょう。
- 案件の透明性:案件の詳細な情報(資金使途、担保の有無、リスクなど)が公開されているか確認しましょう。
- 分散投資:一つの案件に集中投資せず、複数の案件に分散投資しましょう。
ソーシャルレンディングは、適切な知識と戦略を持って取り組めば、資産運用の有効な手段となります。ご自身のリスク許容度を理解し、慎重にポートフォリオを構築することで、より安全にソーシャルレンディングを活用しましょう。
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