海外ソーシャルレンディング：為替リスクの落とし穴！

海外ソーシャルレンディング：為替リスクの落とし穴！

ソーシャルレンディング（融資型クラウドファンディング）に興味をお持ちの皆様、海外案件への投資も視野に入れていますでしょうか？　国内案件に比べて高利回りが期待できる海外案件ですが、忘れてはならないのが「為替リスク」です。今回は、海外ソーシャルレンディングにおける為替リスクについて、詳しく解説いたします。

為替リスクとは？

為替リスクとは、外国通貨と日本円との交換レートが変動することによって、投資した資産の価値が変動するリスクのことです。例えば、米ドルのソーシャルレンディング案件に投資した場合、返済時に円高になると、受け取る円換算の金額が減ってしまう可能性があります。

為替リスクの種類

海外ソーシャルレンディングで注意すべき為替リスクは、主に以下の2つです。

• トランザクション・リスク（取引リスク）:
  投資時と返済時で為替レートが変動することで発生するリスクです。投資時よりも返済時に円高ドル安が進むと、円換算での受取額が減少し、逆に円安ドル高が進むと受取額が増加します。
• トランスレーション・リスク（換算リスク）:
  海外ソーシャルレンディング業者の財務諸表を円換算する際に発生するリスクです。業者の財務状況が悪化した場合、為替変動の影響でさらに損失が拡大する可能性があります。

為替変動がソーシャルレンディングに与える影響

具体的な例を挙げて説明しましょう。

1. 投資時： 1ドル＝150円の時に、1,000ドル（15万円）を海外ソーシャルレンディング案件に投資したとします。
2. 返済時： 満期を迎え、1,000ドルが返済されることになりました。しかし、為替レートは1ドル＝130円に変動しています。

この場合、1,000ドルは13万円にしかなりません。投資時には15万円だったものが、為替変動によって2万円も目減りしてしまったことになります。

為替リスクへの対策

為替リスクを完全に回避することは難しいですが、軽減するための対策はいくつか存在します。

1. 分散投資:
   複数の国や通貨の案件に分散投資することで、特定の為替変動による影響を抑えることができます。
2. 為替ヘッジ:
   為替予約などの為替ヘッジを利用することで、将来の為替レートを固定し、為替変動リスクを軽減することができます。ただし、ヘッジにはコストがかかる場合があります。
3. 短期運用:
   運用期間が短い案件を選ぶことで、為替変動の影響を受ける期間を短くすることができます。
4. 情報収集:
   為替相場の動向や各国の経済状況を常に把握し、投資判断に役立てることが重要です。

ソーシャルレンディング業者選びのポイント

海外ソーシャルレンディング業者を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。

• 為替リスクに関する情報開示:
  為替リスクについて、どの程度詳しく説明しているかを確認しましょう。リスクの説明が不十分な業者は避けるべきです。
• ヘッジの有無:
  為替ヘッジを行っているかどうかを確認しましょう。ヘッジを行っている場合、その方法やコストについても確認が必要です。
• 業者の信頼性:
  業者の経営状況や実績、評判などを十分に調査し、信頼できる業者を選びましょう。

まとめ

海外ソーシャルレンディングは、高利回りを期待できる魅力的な投資先ですが、為替リスクという落とし穴も存在します。リスクを十分に理解し、適切な対策を講じることで、海外ソーシャルレンディングを安全に活用しましょう。投資は自己責任で行うことが原則です。ご自身の判断で、慎重に検討してください。